社内報とは、簡単に言うと**「会社の中の新聞やニュースレター」**です。学校でいう「学級通信」や「部活のニュース」。それが会社バージョンになったものです。そして社内報は、会社の中で働く人たちをつなぎ、会社全体をひとつにまとめる道具でもあります。あなたは、他の部署がどんな仕事をしているか、どんな人が働いているか、知っていますか? 社内報はそんな「隣の部署」をもっと身近に感じられるようにするための会社のツールです。
就職活動をする時から「私、社内報を作りたい」といって入社した方はあまりいないのではないでしょうか。きっと、社内報担当者の数多くが、ある日突然担当になった方なのではないかと想像しています(実際に私もそうでしたよ)。
ここでは、そんな「突然社内報担当になった」方に、そもそも、社内報って何なのか、社内報って何を書けばいいのか、どうやって進めればよいのか、皆さんのヒントになればいいなと思い、つづっていきます。
1. 社内報ってなんのためにあるの?
社内報は、そもそも何のためにあるのでしょうか。会社には、いろいろな部署でたくさんの人が働いています。
でも、こんなことを思う人もいるかもしれません。
- 「他の部署はどんな仕事をしているんだろう?」
- 「新しい人が入ったみたいだけど、どんな人だろう?」
- 「会社は今、どこに向かっているんだろう?」
こういった、会社の中にある「課題」を「解決する」「解決へ導く」のが社内報の役割です。
社内報は、経営者の想い、これからのビジョン、社内のそれぞれの部署で行われている仕事や活動、会社のニュースなどを伝えることで「社員のみんなが同じ方向に向かっていけるように、気持ちを一つにするために、社員同士がつながる、会社のことがもっとわかる」ようにするためのものです。 載せるべきこと、載せたいことは社内にたくさんありますよ。ぜひ、担当の方は自分の周りに「今悩んでいることある?」と聞いてみましょう。すると、いろいろな課題が出てくるはずです。
2. 社内報のいいところ
社内報を作ると、会社の中にこんな良いことが起きます。
- 社員同士が仲良くなる
- 部署を越えたつながりが生まれる。会社の目標がわかる
- 経営陣のビジョンが共有される。やる気がアップする
- 個人やチームの成果が認められる。
こんな風になったら、どんどん働きやすくなりますよね? 社内報ってそれぐらいすごいものなんです。
3. 社内報担当になったら最初にすること
では、そんな社内報を、急に「作ってね!」と言われたら、何をしたらいいのでしょうか?
私も何をすればいいのか、わかりませんでした。なので、とりあえず、過去の社内報を全部読んでみました。
すると「何の目的に」「どんな時代背景の中で」「どんな情報を伝えてきたか」というのが見えてきて、「社内報って、こんなことを伝えたいんだな」と把握することができました。
私が気づいた、まず、担当者になったら知るべき「3つのステップ」を押さえてください。
①何のために、社内報をつくるのか? 目的をはっきりさせる
記事の企画ごとに目的はあると思いますが、まずは「なぜ、自分の会社が社内報を発行しているのか」を知ることから始めましょう。タイトルなどに込められた思いは何でしょうか。きっと、そこにヒントがあるはずです。
社内報を初めて作る企業の担当者さんは、経営者の方と、どんな社内報にしたいのかじっくり話せば、キーワードが見えてくるかもしれません。
この「どうして社内報を作るのか?」が決まれば、何を載せるべきかが見えてきます。
どんな社内報にも、譲れない目的があるはずです。しっかり、確認しましょう。
② 社員が読みたくなる内容は?経営層が伝えたい内容は?
社内報に目的がいくらあっても、社員に読んでもらえないと意味がありません。社員の皆さんもお忙しい方も多く、なかなか時間を割くことも難しいかも。だからこそ、社内報を「読んで楽しい!役に立つ!ここの情報を見ておかないと!」**と、社内報の価値を実感してもらう必要があります。があります。
- 「誰に読んでほしい?」
- 「みんなは何を知りたい?」
読者(社員)の気持ちになって、求めている情報を掲載できるようにしょう。
あとは、社内報は「会社で働く人」が読者であり、経営層にとっては情報のインフラになるものです。だからこそ、読者だけでなく「経営層が会社をどうしていきたいのか」のビジョン、方向性をしっかりと伝え、気持ちを一つにしていくためのツールとして重要な役割を担っています。
・社長の方針は何ですか?
・今、会社に何が求められていますか?
・会社の数字、ビジョンは?
経営者の想いが社員にしっかり届くように、担当者として寄り添っていきましょう。
③ ターゲットをしぼる
最後に、「誰に」この情報を伝えたいかが大切です。
誰にって、社員だろ?と思いますが、社員の中でも新入社員に伝えたいのか、管理職に伝えたいのか、どんな立場の入社歴の方に伝えたいのかで、同じ企画でも内容が変わってきます。
例えば、社内報の目的が『コミュニケーションを活性化すること』に重きを置いていたとします。「部門間の横のつながりを深めたい」という経営者と、「もっと他部署の人の仕事を知りたい」という読者がいたとした場合、この2つの溝を埋める企画はどんなものでしょう。
ターゲット「新入社員」
企画:インタビュワーに新入社員になってもらい『隣の部署1日密着レポート』として紹介
新入社員の目線から見た部署の仕事、そして、インタビュワーになることで隣の部署の仕事内容を知る機会に⁉
ターゲット10年目の中堅社員
企画:「部署の秘密兵器を紹介!働くプロフェッショナルのスゴ技]として、その部署で活躍している“プロフェッショナル”な人のスキルや特技を特集。同世代の社員がやっている仕事内容を見せることで「自分も頑張らなきゃ」とやる気もアップ。若手社員には「近い将来のイメージ」ができるようになるかもしれません。
このように、同じ部署紹介でも、ターゲットによって伝え方が変わってくるのです。
余談:ターゲット選定の3ステップ
- 社員の属性を明確化する
- 年齢層、入社歴、役職など。
例:30代管理職、20代新入社員など。
- 年齢層、入社歴、役職など。
- その属性の課題を洗い出す
- 30代管理職:「若手社員とのコミュニケーション不足」
- 20代新入社員:「他部署の仕事が見えにくい」
- 課題に合った内容を企画する
- 例:「部署紹介×若手インタビュー」でコミュニケーション活性化を図る。
4. まとめ:社内報は「情報のインフラ」
社内報を使って、会社の情報を発信することで、会社を盛り上げること、部署同士の絆を深めること、ビジョンを共有することなど、さまざまなことが可能になります。社内報は、会社の情報のインフラであり、コミュニケーションの要です。
社内報には意外な力があります。あなたが担当者になったなら、ぜひ「誰に、何を、どう伝えるか」を意識してみてください。この3つを押さえれば、きっと伝えたい思いが読んでほしい人にきちんと届く、思いのこもった社内報が作れるはず……です! 効果が出れば、どんどんあなたのモチベーションも上がり、社内報もつながりのある場所に変えていくことができるのかな?と、一担当者だった私としては、社内報の力を信じています。
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