社内報制作14年。インタビューは準備で8割決まる。「書けない」を「読まれる」に変える執筆のコツ

社内報制作14年。私がたどり着いた「書けない」を「読まれる」に変える執筆のコツ

社内報制作に携わって14年になります。 長年、組織の中にある大切な「声」を届ける仕事をしてきましたが、現在は個人事業主として、社内報に特化したサービスをお届けしています。

これまで100名以上の方を取材しましたが、今でもはっきりと覚えていることがあります。それは、社内報制作において最大の壁は、やっぱり「執筆」だということです。もともと文章を書くこと自体は好きでした。でも、いざ「記事」として形にしようとすると、なぜかピタッと筆が止まってしまう。そんな経験を何度もしてきました。
社内報は、ただの作文ではありません。読者である社員のみなさんに気づきを与えたり、次の行動を促したりする目的を持った、大切なビジネスツールです。特に、インナーブランディングには欠かせないコミュニケーションツールでもあります。

今回は、私が14年の歳月をかけて学んできた、インタビューやニュース記事を「書けない」から「読まれる」へと変えるためのポイントを、実体験を交えながら等身大でお伝えします。


1. インタビューの成否は「執筆前」に決まる

インタビュー記事を書くとき、多くの人が「どう書こうか」と頭を悩ませますが、実は成果の8割は準備で決まります。執筆をスイスイ進めるためには、事前の土台作りが欠かせません。

目的とメッセージを言葉にする

まずは「この記事で何を伝えたいのか」を徹底的に考え抜きます。これをキーメッセージと呼びますが、箇条書きではなく、ひとつの文章として書き出してみるのがコツです。 例えば、「部署の中で一番頑張っている人の紹介」で止めるのではなく、「◎◎さんがチームリーダーになったからこそ、△△部の売り上げが3倍にアップ。苦難を乗り越えて、営業所の売り上げ日本一を勝ち取るまでの成功ストーリー」というように、物語の芯を深掘りしてみましょう。

相手の不安をほぐす「言葉」を添える

取材を受ける方は、プロの話し手ではありません。「どうして私が?」「何を話せばいいの?」という不安を抱えています。 そこで、「〇〇さんのあのプロジェクトでの粘り強さを、ぜひ若手に伝えてほしいんです」というように、選定理由と期待していることを自分の言葉で伝えてみてください。その一言が、相手の心を開く鍵になります。

社内ネットワークをフル活用する

社内報ならではの強みは、事前のリサーチがしやすいことです。 人事に相談して経歴を確認させてもらったり、「今度〇〇さんに取材するんだけど、どんな人?」と同僚の方にこっそり聞いてみたり。相手の解像度が上がれば、書く内容が周りから見たその人の姿とズレていないか、確認する目安にもなります。


2. 現場の空気を再現する「聴く技術」

いざ書こうとして「何を書けばいいかわからない」と迷うのは、実は素材(情報)が足りていない証拠です。私は取材中、「もしこの人をラジオで紹介するなら、何が必要かな?」という視点を忘れないようにしています。

まずは「事実(ハード面)」を固める

まずは、その人の輪郭をはっきりさせましょう。 勤務スタイル、役職、具体的な仕事内容など、5W1H(いつ、どこで、だれが……)に沿って整理します。例えば、

  • いつ:どんなスケジュールで動いている?どんな勤務状況? など
  • どこで:オフィスの人数は?場所は?フロアの大きさは?機械は何台ある? など
  • 何を:どんな製品を扱っているの?何をする部署なの?どんな仕事をしているの?1日の動きは? など
  • だれと:どんな部署の人と連携している?誰と働いている?新人時代はだれの部下だった?部下は何人? など
  • なぜ:その部署は会社でどんな役割がある?なぜその人の役割が必要なの? など

こうしたハード面をしっかりと把握することで、働いているところのイメージが沸き、濃い質問もしやすくなっていきます。読者は同じ社員だからこそ、読んだときにイメージがしやすいように情報を補いましょう。そして「結局、この人は何をしている人?」という疑問を残さないことが、記事の信頼につながります。
いつ、どこで、なにをなどの情報は、インタビュー前に調査できるところもあります。しっかりとインタビューの時間を充実させられるように、下調べを行いましょう。

次に「想い(ソフト面)」を引き出す

事実が見えてきたら、次は内面に迫ります。例えば、

  • 仕事での悩みや壁、それをどう乗り越えたか
  • やりがいを感じる瞬間や、忘れられないエピソード
  • その人にとって「仕事」とは?

こうしたエピソードを深掘りすることで、その人特有の「らしさ」が見えてきます。同じ仕事の役割でも、やり方は十人十色です。こうした内面のエピソードから生まれるこの「らしさ」こそが、読者の共感を生む一番のスパイスになります。


3. 執筆を加速させる「メモ」と「初動」

取材が終わった直後の動きが、原稿の質とスピードを左右します。インタビュー後はスケジュールを詰め込まず、少し時間をとれるようにしておくといいですね(いろいろな案件を抱えていると難しいところではありますが)。

自分に合ったメモのスタイルを見つける

メモの取り方は自由ですが、私のおすすめは「大きな紙に書きながら」インタビューするスタイル。書いている内容が相手にも見えるので、「そこは少しニュアンスが違います」といったリアルタイムの修正ができ、情報の精度がグッと上がります。

熱が冷めないうちに打ち込む

インタビューが終わったら、間を置かずに印象に残ったことを箇条書きで打ち込んでしまいましょう。真っ先に思い浮かんだことこそ、あなたが一番伝えたいポイントです。ボイスレコーダーを見直すときも、この「直感メモ」を基準にすれば、タイトルや見出しが驚くほど作りやすくなります。


4. 読み手を迷わせない「文章の型」と「技術」

素材が揃ったら、いよいよ執筆です。読みやすい文章には、ちょっとしたルールがあります。

いきなり書かずに「地図」を作る

いきなり書き始めるのは、地図なしで旅に出るようなもの。まずはプロット(あらすじ)を立てましょう。例えば、以下のような流れで書くこともお勧めです。他にもいろいろな方法がありますので、ほんの一部になります。

  • 起承転結: ドラマチックなプロジェクトストーリーなどに。
  • PREP法: 結論→理由→具体例→結論。トップメッセージなど、説得力が必要なときに。

これだけで変わる!5つの基本

  1. 5W1Hを意識: 読み手は事情を知らない前提で書く。
  2. 文体を選ぶ: インタビューなら一人称(私)、ニュースなら三人称など。
  3. 丁寧な言葉を: 崩しすぎず、誠実な印象を心がける。
  4. 「だ・である」と「です・ます」を混ぜない: 媒体のトーンに合わせる。
  5. 一晩寝かせる: 書き上げたら翌朝の新鮮な目でチェックするのが理想です。

リズムを整えるコツ

ダラダラ長い文は、思い切って2つに分けましょう(一文一意)。また、同じ語尾が続かないように変化をつけたり、会話形式を少し入れたりするだけで、文章に心地よいリズムが生まれます。


5. 記事を「一生の宝物」にするための配慮

社内報の記事は、配って終わりではありません。記事をきっかけに会話が生まれ、登場した人のモチベーションが上がることこそが、本当のゴールです。

関係者へのリスペクトを忘れない

原稿ができたら、本人だけでなく、可能であれば上司や周囲の方にも目を通してもらいましょう。これは単なるチェックではなく、「この記事が出て、本当にこの人のためになるか」を確かめるためでもあります。

「載ってよかった」と思える体験を

発行された後に、「あの記事読んだよ!」「頑張ってるね」と声をかけられる。その経験が、その人の会社人生において誇らしい記憶になるように。 執筆者のエゴで色をつけるのではなく、本人の言葉を尊重し、誠実に綴ることを何より大切にしたいですね。


結びに代えて

14年前、真っ白な画面を前に頭を抱えていた当時の自分に伝えたいのは、「文章力はセンスではなく、準備と慣れだよ」ということです。

誰に、何を伝えたいのかを整理して、丁寧に準備を重ねれば、必ず心に届く記事は書けます。 社内報は、あなたの言葉で「会社」と「人」を繋ぐ、とっても温かいツールです。

今回お伝えしたポイントが、みなさんの執筆活動のヒントになり、素敵な社内報が生まれるきっかけになれば嬉しいです。 もし、「忙しくて手が回らない」「プロの視点でクオリティを上げたい」というときは、いつでも頼ってくださいね。一緒に、組織を元気にする言葉を紡いでいきましょう。

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社内報の担当だったからこそ、わかる悩みがあります。

社内報担当だったからこそ、ひとりで悩む気持ちがわかります。
ネタ不足、原稿回収、読まれない不安…。

まずは今の状況をお聞かせください。

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